料理にワインに競馬に文学。F氏のフランス滞在期


by hiramette

パドックの人びと③

③戦争が終わって、最初にしたこと

ロンシャン競馬場の観客席の階段によく腰掛けて座っているおじいさんがいます。もう60年以上も競馬場に通いつめている、現役では最も古い常連さんです。僕は彼の名前を知らないし、聞いたこともありません。けれども昔から競馬場に来ている人は、みんな彼のことを知っています。

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だから、馬に詳しい優秀な予想家かと言われたら、決してそうではありません。馬券の買い方は今日は6日だから6とか、ちゃんと予想をせずに数字頼みの神頼み。いつもでたらめな買い方です。当たったら「だから今日は6日だって言っただろう」と言うし、負けてもなんらかの数字の理由をつけて自分なりに納得しています。

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なんとこのおじさん、第二次世界大戦中は兵士だったらしいのですが、余りに競馬が好きだったために、除隊されてすぐに競馬場に行ったそうです。しかも、戦争が終わって、パリのリヨン駅についてすぐに。

本人曰く、無事に帰ってきて、笑顔で自分を抱きしめる奥さんに「ちょっとトイレに行きたいから」とごまかして、そのままヴァンセンヌ競馬場に行ってしまったそうです。相当な兵(つわもの)です。

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今はその奥さんも亡くなって一人暮らし。杖をつきながら、未だに競馬場に通いつめています。何が彼をそこまで競馬に駆り立てるのかはわかりませんが、たまには亡くなったおばあさんに、感謝のお祈りを捧げてあげてくださいね、おじいさん。

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競馬場には本当にいろんな人がいるものです。

ほほう。

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by hiramette | 2009-07-14 22:02 | 競馬