料理にワインに競馬に文学。F氏のフランス滞在期


by hiramette

パドックの人びと②

②馬の絵を描いたMさん

Mさんはパリの日本食店で働く、料理人さんです。休日は平日の2日だけですが休みのたびに、必ず競馬場にやってきます。最近は大変調子がいいそうで、何千ユーロも当てたこともあるとか。けれども、いつも着ているのは同じ服で、タバコも自分で巻いたのが消えるたびに、また火をつけなおして吸っています。好きな馬券はカンテ・プリュス(5連単)やティエルセ(3連単)。でかいのを一発当てるのが快感だそうです。

b0169024_2148433.jpg


実は彼、もともとは画家を目指していたそうで、馬の絵も何度か描いたことがあるそうです。画家の人生も一発大きいのを当てるかどうかだものな、と妙に納得したものです。

いつだったか、メゾン・ラフィットの競馬が終わった後に、駅前のカフェのカウンターで、生ビールを飲んだことがありました。

「いや、でも本業より馬の方に興味をもっちゃってね」

苦笑いしながら彼はそう言いました。70年代の終わりにフランスに来て以来、競馬場に通いつめているので、馬には本当に詳しく、僕はいつも関心します。そして70年代から現在に至るまでの名馬の物語の数々を、若い青年のような目で、生き生きと語って聞かせてくれます。

b0169024_2149518.jpg


彼の娘さんはもう僕ぐらいの年齢の大人で、今高校で日本語の教師をされているそうです。

僕が日本を発つときには、彼の馬の絵を一枚ぐらい、頂いてかえろうかと思っています。きっと彼の大事な人生の一部が、そこには詰まっているような気がするからです。

b0169024_21502435.jpg


クックリお願いします!
人気ブログランキングへ

にほんブログ村 競馬ブログへ
 
[PR]
by hiramette | 2009-07-14 21:50 | 競馬