料理にワインに競馬に文学。F氏のフランス滞在期


by hiramette

人生の脚質について


「あたし、あの子応援しよ」

「うん、でもなんで?」

「だって、かわいいもん。かっこいいと思う芸能人のファンになるやろ。それとおんなじ。かわいい馬応援すんねん」

 Mちゃんは、いつも自分がかわいいと思った馬を応援します。むむう、なるほど。そういう見方もあったんね、と思わず感心。そしてこれが以外に当たるんだから、鼻で笑うわけにはいきません。

 
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 これはほんの一つのエピソードで、考えてみれば馬の応援の仕方にもいろいろあるものです。例えば、逃げ馬が好きな人がいます。

「だって、先頭走ってるほうが、かっこいいやん」

こう言うのは、大体リーダータイプの人。しかし、走ってるお馬ちゃんにしてみれば、追いかける目標がないからつらいと言えばつらい。どこがゴールやねんという話。

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ちなみに前もってあせるNanetteちゃんは、視界を遮るブリンカー着用でいちばん前を走るお馬ちゃんタイプです。ブリンカーは350度もみえてしまう馬の視界を前だけにする役割があります。「他の人を気にせず勉強したい」、「早めにあせっておく」などがモットーだから、研究も早くから準備して早めにあせり、そしてゴール直前はあっさり勝つ人生。逃げたもん勝ちというやつです。今度、集中して前だけ見て走れるように、自家製ブリンカーを作ってプレゼントしたろかしらん(笑)。ちなみに下の画像は、本当のブリンカーほども視界を制限しない、オーストラリアンブリンカー。最近レーシングプログラムへの表記が義務付けられるようになりました。

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人はそれぞれ、違った馬の見方をしています。ある馬の動きが、ある人にとって特別な意味を持つことがあります。競馬が過去の人生の比喩になり、さらには未来の生き方や理想を象徴したりするのです。

人生に失敗し続けた人が未勝利戦のレースのみに夢中になったり、車椅子の男の子がテレビにかじりついて、先頭を走る片目を失った馬を見たりしていました。病魔から逃げるためなのか、病室のテレビからひたすら逃げ馬ばかり応援していた末期がんのおじさんがいました。みんな、馬に自分を投影させて応援していました。

特定の数字の馬券ばかりを買う人もいます。それが、自分のラッキーナンバーだったり、子供の誕生日だったり、人生でいちばん幸運な日だったり、あるいは逆に辛い記憶と関わるのかもしれません。

やたらと血統にこだわる人もいます。この馬のお父さんは○○で、長距離に強いからこの子もこのレースに勝てる云々。これは、親父がかしこかったら息子も賢いみたいな思想につながるみたいで、小市民家系のF氏はあまり好きではありません。だから、血統が全然有名ではなくとも一生懸命走る馬が好きです。例えば日本で言えばメイショウサムソンちゃん、フランスではヴィジョンデタちゃんなんかがそうかな。

それから、勝ちまくっているよりも、一度負けてる馬の方を贔屓して応援してしまいます。そら一回ぐらいは挫折しとるほうが信頼できるやろ、痛みや悔しさを知らないエリート路線なんか鼻持ちならんというわけです。骨折や屈腱炎などの怪我から立ち直った子は余計に本気で応援します。一度怪我や病気をしても、まだやれるんや、お前は走れるんや、勝つんや。飛べ。怪我から復帰したダイワメジャーちゃんが府中の最後の直線を走っているとき、僕は心の中でそう叫びました。

こうして、みんな馬と自分との関わりを見出して応援する事で、間接的に自分の人生の未来や幸福を賭けているのかもしれません。少なくとも、何かを信じたい気持ち、一人一人が違った気持ちで自分のヒーローにおくる声援、それらの全てが競馬と僕らをつなげる強い力になっているのです。

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馬をみてて、本当に勉強になるのは、気持ちよく勝負に臨めている馬しか勝てないっていうこと。健康な体が健康な精神を作り、また健康な精神が健康な体を作るという相互作用があることです。だから僕も明るい気持ちで、体に気を使いながら、元気に気持ちよく生きなければと思います。あと、コースや、ゴールの場所を良く知っているっていうのも大事。抜くところは力を抜いて走るときに走る。これら自分の人生にも応用できる方法は、走っている馬を見て学んだことです。

とかなんとか、競馬を人生に還元してみて、文学的なことを書いてみたものの、僕も地道に研究を積み重ねて一生懸命生きていかねばならんのです。少しのんびり屋なところがあるので、Nanetteちゃんが帰ってきたら、鞭でお尻を一発叩いてもらおかしらん。特にどMではないけど。そして、最後の直線はディープインパクトのように鋭い瞬発力で追い込んで、博士論文のゴール板を気持ちよく駆け抜けたいものです。

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いろいろ考えて見るのですが、結局僕がはっきりと言えること。それは、陽光を受けて輝く緑の絨毯、鞭をふるう騎手の腕、馬体のほとばしるような筋肉のしなり、レースの緊張感とそのあとの笑顔、毎朝厩舎で馬を注意深く見守る調教師の表情、子供みたいな顔して馬をなでる厩務員の汚れた手、それに何よりも馬の無垢で優しい目を、理屈なしに純粋に愛しているということ。

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つまり僕は単純に競馬が好きなのです。

ひひん。

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by hiramette | 2009-07-10 22:45 | 競馬