料理にワインに競馬に文学。F氏のフランス滞在期


by hiramette

もう少し上手にだまして下さい

 ついこないだあった日常のおはなし。

 17区にある自分の家を出て、国立図書館に向かうため、駅に向かって歩いていた時のことです。

 近くを走っていた車がとまり、運転していた綺麗なスーツ姿の人が僕に向かって話しかけて来ました。道を聞かれたのかと思って、窓のほうを覗き込んだところ、いきなり「エイゴシャベレマスカー?」的なことを、言ってきました。
「ワタシイタリア人でーす。英語かイタリア語しかシャヴェレマセーン」

 「はあ、まあ少しなら」と答えると、いきなり話が思わぬ方向に!

 「アナタの身長は何センチ?」

 「は?」

 「1メートル70ぐらいかな?」

 「ま、まあそんなもんですが」

 「ちょうどよかった!」とイタ公。

 ちょうどよくねー。どう考えても怪しい。

 「わたし、ファッション関係のオシゴトしてマース。ここにスーツや、ジャケットや、女性もののスカートなどもありまして、あ、◯◯って知ってる?」とブランド名を言われたけど、コチラは全く存じ上げない名前。

 「とにかくね、これらを、アナタに、プレゼントしようと思っているのでーす!」

 あかん。こいつ絶対あやしい。

 とはいうものの、明らかにこの兄ちゃんはおとぼけ系。旅行者の日本人を狙ったんだろうけど、こっちの方がガンガン仏語で喋っているので、結構向こうも予想外。まあ、詐欺師だからきっとフランス語喋れるんだろうけど。

 無視しようとしたら、いよいよ向こうの作戦開始。

 「じ、実は昨日シャンゼリゼのカジノで、たくさんお金を使ってしまい、一文なしなのデース。ミラノの妻に連絡すると怒られるし。今日はシゴトでニースに行かなきゃ行けないのに、ガソリン代すらありませーン。だから、この服と引き換えに、ガソリン代をアナタから頂けないかと思って。。。」

 はい、よくできました。でも、もう少し上手にだましてね。50ユーロでいいから、という彼に、
「奥さんに正直に言うんですな」
 といじめてやると、

「おーマンマミーア。パウラにだけは言わないでクーダサーイ!貸してくれたら、今度ミラノに来てくれた時にスパゲッティー御ちそうしますからーっ」

 パウラっておっしゃるんですね。ははは。あんたの嫁さんの名前なんか知らんわい。しかもスパゲッティーごちそうって、何と言う紋切り型なお礼。

 「いや、僕学生なんで、お金ないんです、ごめんね。」

 という僕に向こうもすかさず反応。

 「このかっこいい服イラナンデスカ!もったいないなーっ。アナタの今の恰好はカジュアルでーす!」

 「図書館に勉強に行く学生は、そんなにいい恰好はしません」

 「そんなこと言わないで!あなたが僕の立場だったら、どうしますかーっ!困った人は助けなきゃ行けませーン」

 「他の人に聞いて下さい。もっと金持ちそうな人に」

  そう言い残すと、悲しそうな顔をしているイタ公を見向きもせずに、僕は駅に向かったのでした。
  しかし、駅につくなり、そういやニースまでの、ガソリン代っていくらかかるんやろ、と思った僕。何を思ったか、駅の売店のお兄ちゃんに聞いてみたろと思いました。

 僕「すいません、あの、ちょっと聞きたいんですが」

 売店のにいちゃん「何ですか?」

僕「お車お持ちですか」

にいちゃん(怪訝な顔で)「何で?」

僕「いや、ニースまでガソリン代っていくらぐらいかかるのかと思って」

にいちゃん「そんなもん、知りません」

 はい、僕が詐欺師と思われました。どう考えてもにいちゃんにしてみりゃ僕は怪しかったはずです。

 きゃ。

 だからイタ公はいやです。過去3回程行きましたが、サングラスや電子辞書など、小物ばっかり奪っていきます。特にくそったれな街はミラノです。みなさん、ミラノのイタ公には十分ご注意ください。

 ははん。
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ちなみに、あとでNanetteちゃんにこの話をしたら、実はパリでは有名な詐欺師であることが分かりました。
皆さんも気をつけるか、あるいはこの詐欺師を既知の場合はおちょくるかしてあげて下さい。例えば「そんなに困っているなら、いまこの携帯電話で、近くの警察に連絡してあげるよ。うん、そうだ、それがいい」云々。



 
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by hiramette | 2009-06-30 01:28 | 日常